一日でまわる、江戸五色不動巡り

東京には「五色不動」と呼ばれる不動尊群があります。

「五色不動」とは・・
『目黒不動』『目白不動』『目赤不動』『目青不動』『目黄不動』の
五不動尊様の事です。

由来はその昔、
仏像の目がその色に塗られていたとか
地名にちなむとか言われています。

ちなみに「目黄」は2か所ありますので
江戸五色不動は全部で6か所あるのです。

各不動尊は青・黄・赤・白・黒の色に因んでいますが
これらの5色は、陰陽五行説に基づくものです。

陰陽五行説は密教にも取り入れられており、
密教寺の不動尊に5色の取り合わせをしている所をよく見かけます。

10月も下旬に入りました。
やっと散歩するのには気持ちが良い季節になってきました。

電車を利用して
1日で五色不動尊巡る挑戦をします。
結構、強行軍で、昼食は食べている暇がありませんでした。💦

五社巡りの順番

五色不動巡りは順番も大切です。

江戸五色不動尊の巡拝の順番は、
黒→青→白→赤→黄
縁起がよいとされる右回りで一巡します。

江戸五色不動尊は、江戸の天下泰平を願って、
三代将軍・家光が治めた寛永年間(1624~43)に成立したと伝えられています。
江戸の町を取り囲むように置かれた5つの地域に、
目白、目赤、目黒、目青、目黄の不動明王像が安置されています。

各不動尊の安置場所は・・

目黒不動:目黒区下目黒3丁目の滝泉寺
目青不動:世田谷区太子堂4丁目の教学院
目白不動:豊島区高田2丁目の金乗院
目赤不動:文京区本駒込1丁目の南谷寺
目黄不動(1):台東区三ノ輪2丁目の永久寺
目黄不動(2):江戸川区平井1丁目の最勝寺

では、順番に行ってきます。

目黒不動尊・泰叡山瀧泉寺


東京都目黒区にある泰叡山瀧泉寺(たいえいざんりゅうせんじ)
落語『目黒のさんま』は、
この瀧泉寺の参詣者のための休憩所が舞台とされています。
「目黒」の地名は、この目黒不動から付いたとも言われています。

目黒不動尊 瀧泉寺
目黒不動尊 瀧泉寺

江戸時代、境内では今の宝くじにあたる「富くじ」も行われていました。
さつまいも(甘藷)の栽培を普及させた青木昆陽(あおきこんよう)の墓
(「甘藷先生墓」と刻まれており、国の史跡に指定)されています。

その他に東京都の有形文化財に指定されている前不動堂、
目黒区指定の有形文化財である仏像群、
大本堂の天井には日本画家・川端龍子(かわばたりゅうし)の「波涛龍図」など、
見どころも満載でじっくり見たいところですが・・・
なんせ、1日で六寺行きますので、
日を改めて目黒不動尊だけの記事をアップしたいと思います。

目黒不動尊 御朱印

【最寄り駅】東急目黒線「不動前駅」から徒歩約8分、各線「目黒駅」から徒歩約13分

目青不動尊 竹園山最勝寺教学院

さて、お次は目青不動尊
名称は「竹園山最勝寺教学院」という名前で通称「教学院」
青山の地にあったことから「目青不動」の名が付けられました。

目青不動尊 竹園山最勝寺教学院
目青不動尊
目青不動尊

ご本尊は秘仏であり、公開されていません。
「御前立ち(おまえだち)」と呼ばれる、
ご本尊の姿を写し取った寛永19(1642)年作の青銅製不動明王像を拝むことができます。

目青不動尊 御朱印

【最寄り駅】東急田園都市線「三軒茶屋駅」から徒歩約5分

目白(めじろ)不動尊・神霊山金乗院慈眼寺

3番目は目白不動尊
江戸五色不動随一とされる神霊山金乗院慈眼寺(しんれいざんこんじょういんじげんじ)
「目白」の地に佇んでいる不動尊です。
金乗院は五色不動唯一の真言宗寺院です。(その他はすべて天台宗)

目白不動尊 神霊山金乗院慈眼寺
目白不動尊 神霊山金乗院慈眼寺
目白不動尊 神霊山金乗院慈眼寺
目白不動尊 神霊山金乗院慈眼寺

ご本尊は秘仏の「断臂不動明王(だんびふどうみょうおう)」で、
弘法大師空海が山形県の湯殿山で目にした不動明王の御姿を刻んだものとされます。
衆生への慈悲の心により、
不動明王自ら左腕を切り落とした姿としたとされる御姿だそうで
年4回の護摩行時のみ公開されるそうです。

弘法大師像
目白不動尊 神霊山金乗院慈眼寺 御朱印

【最寄り駅】東京メトロ副都心線「雑司が谷駅」から徒歩約5分、JR山手線「目白駅」から徒歩約12分

目赤不動 南谷寺

やっと折り返し・・
目赤(めあか)不動尊・大聖山東朝院南谷寺を訪ねます。


東京都文京区本駒込の大聖山東朝院南谷寺(なんこくじ)は、
現在は「目赤不動」と呼ばれていますが、
もともとは「赤目不動」だったそうです。
3代将軍・家光により寛永5(1628)年、
すでにあった「目黒不動」「目白不動」と同じ語順の「目赤不動」に改められたそうです。

目赤不動尊 南谷寺
目赤不動尊 南谷寺
目赤不動尊 南谷寺
目赤不動尊 南谷寺

伊賀(現在の三重県)の赤目山で祈願中に授かったという
黄金の不動明王像がご本尊です。

目赤不動尊 南谷寺 御朱印

【最寄り駅】地下鉄南北線/本駒込駅2番出口 徒歩2分

目黄(めき)不動尊・養光山金碑院永久寺


最後は黄色✨目黄不動尊は2か所あります。

まずは目黄(めき)不動尊・養光山金碑院永久寺(ようこうざんきんぴいんえいきゅうじ)

南北朝期の創建とされますが、
戦乱の中、その度に再建が繰り返された、篤い信仰を受ける寺院です。

目黄不動尊 永久寺
普通のお家のような佇まいで、入るの勇気が入ります。
秋は銀杏の実が沢山落ちています。
目黄不動尊 永久寺
目黄不動尊 永久寺

【最寄り駅】地下鉄日比谷線 三ノ輪駅3番出口から徒歩約1分

目黄(めき)不動尊・牛宝山明王院最勝寺


いよいよ、最後です。
朝から参拝してお昼ご飯なしでやっと最後の不動尊を拝みます。
目黄(めき)不動尊・牛宝山明王院最勝寺

2番目の目黄不動尊は、東京都江戸川区平井にある
牛宝山明王院最勝寺(ごほうざんみょうおういんさいしょうじ)
ここが一番駅から遠いお寺さんでした。

目黄不動尊 牛宝山明王院最勝寺
目黄不動尊 牛宝山明王院最勝寺
目黄不動尊 牛宝山明王院最勝寺

徳川家の篤い信仰を受けた寺院で、
鷹狩りの際にはしばしば「仮の御殿」が置かれた場所です。

目黄不動尊 牛宝山明王院最勝寺 水鉢が素晴らしい!
目黄不動尊 牛宝山明王院最勝寺 御朱印

【最寄り駅】JR総武線「平井駅」から徒歩約14分、都営新宿線「東大島駅」から徒歩約16分

御朱印

今回、頂いた御朱印です。

私はお寺より、神社に参拝する機会の方が多いのですが
今回はお寺用御朱印帳が一気に埋まりました。
なんだか一度に眺めているとありがたい気持ちになります。

1日で巡る五色不動尊は
順番にお寺を巡ることによって
様々なご利益があると言われています。

しかし、何よりも今まで知らなかったお寺を発見し
訪ねることで、歴史に思いを馳せることができます。

これからの季節はどんどん、散策日和になっていくでしょう。
1日かけて不動尊を巡拝する散策は本当に贅沢だと思いました。

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